ひめゆりの塔
多分小学校5年に見た作品とおもう。公開年度1953年1月とあるので。10歳だろうと思う。電気館は長野県須坂の駅前の映画館で、父の仕事の関係で、小学3年の冬には静岡県清水市(今の静岡市清水区)の三保の松原へ越して、さらに4年には静岡の駒形の団地へ居候していたので、静岡に移って初めて見た映画だと思う。
今井正監督で、水木洋子脚本、津島恵子、香川京子、岡田英次、藤田 進出演の東映映画である。
残念ながら私は途中で激しい頭痛と、同時に気持ちが悪くなり、映画館の外へでてしまったのを覚えている。映画の中に手で来る戦闘シーンに耐えられなかったのか、単なる生理現象かは定かでない。
当時の映画館は暗闇は勿論のことだが、換気装置がうまく機能していなくて、時々頭が痛くなり、途中で退館することが、多かったように思う。
それでも、絵本以外のフィクショナルなスクリーンを求めて映画館への旅は飽きることがなかった。
この映画はおそらく学校で連れていかれたんだと思う。
親はこんな映画を一緒に見るどころではなく二人で必死に働いていたからである。多分この頃は自主的に選択はしていないと思う。
戦争自体の記憶はないが、戦争というものの怖さを生理的に教えられた映画でもある。