昭和懐かしのシネマ~電気館~

このブログは昭和20年代から平成初めまでの私の映画館見聞録です。

ターザン映画と鞍馬天狗その2

 

 

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色々と調べてみるとターザン映画は1946年公開の「ターザンと豹女」か1947年公開の「ターザンの怒り」ではないかと思われる。小学2年か3年の頃見たターザン映画に見たのは

家族というものの原型だったのではないかと思われる。そこには父と母がいてボーイという子供がいる。そしてペットよりは随分と格上というか、役に立つチーターという名のチンパンジーがいる。しかも一切の文明的な生活を捨てて、人間として家族として襲い掛かる自然の驚異や、人間社会の悪意に敢然として戦っていく一個の単位こそが家族の原型だよと教えてくれたようだ。

そして、鞍馬天狗はおそらく1951年(昭和26年)の「鞍馬の火祭」か「鞍馬天狗と青銅鬼」だと思われる。

不思議に思えたのはどちらかの結末で、映画のラスト、清水寺かどこかの境内で鞍馬天狗近藤勇が二人で一騎打ちをして、剣を交えている最中に、左右から閉じていく白いスクリーンとともに、終わりというおおきなエンドマークの字が出てきたことだ。

大人になってから勝負でどちらも殺してしまっては、次の映画の続きができないことは分かったが、当時はどうして勝負の決着がつかないまま映画が終わるのか全く分からなかった。子供にとってはそんな終わり方はあり得なかったからである。

二つの映画を同時に見ることで、学校でも家でもおしえてはくれない、貴重な二つのことを学んだ。それは「家族」とは親子で力を合わせて生きていくものだという事と、この世の中には勝ち負けのつかないこともあるのだという、貴重なことを‥‥昭和27年9歳の冬であった。